《ある商社(後編)》
【11月6日:今朝の状況】
※為替(ドル/円)ドル=151円85銭【08:30現在】
※N.Y.ダウ:42,221.88 (+427.28)
※銅LMEセツルメント($/t)
①午前売:9587.5(+82.5)
②午後売:ー
※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
③銅:4.4505(+0.0435)
④金:2740.3(+4.2)
※WTI 原油先物($/bbl)
⑤71.99(+0.52)
※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
①ロンドン午前:1510円
②ロンドン午後:ー
③N.Y. :1540円
※ニューヨーク為替引値(円)
151.6-151.64(0.53円高-0.51円高)
【11月5日:昨日の状況】
※国内銅建値1480円(11月1日より-10円)
《ある商社(後編)》
※この話の皮肉なことは、ある商社の親会社を含めた、
大手総合商社はどこも、2000年頃から取次商売を止めて
しまっていることです。
※大手総合商社は、A社とB社の間に入って口銭を得ると
いう取次商売に可能性がない=斜陽産業であると、とっく
の昔に判断し、取次商売自体を子会社に振り分けて、自分
達は事業投資(企業やビジネス自体に投資しリターンを
得るビジネス)に切り替えています。
※自動車を売り買いするのでなく自動車会社に投資する、
小麦を毎年買うのでなく農場を買収するという風です。
※一方、取次商売を振り分けられた=言わば押し付けられた
子会社“だけ”が、まだ取次商売なんてことをやっているの
です。
※さて否定・批判だけでなく、解決策も示すのが本コラム
の真骨頂です。じゃ、偉そうにお前は言うが、一体、どう
すりゃいいんだ!?
※結論、「リスクを取るしかない」のです。
※前編で商社の方が述べた「リスクを取らない」という
言葉には歴史があります。
※商社は元々、①見越し買い・見越し売り(売り契約のない
買い・買い契約のない売り)、②在庫を持つなど、リスクを
取ってビジネスを行なっていました。
※その後、住商事件(★注)やリーマンショックなど、
リスクを取った取引が会社に大きな損失を出したことから、
「(商社は)リスクを取ってはいけない」という流れになり
ました。
※「商社=リスクを取らない」と決まったことではなく、
昔はやっていたのだから、商社が今でも取次商売で口銭を
得たいなら、答えは簡単で、前編で挙げた①「品質クレーム
リスク」②「在庫リスク」③「価格リスク」を取ればいいの
です。
※読者のみなさま! これは商社のこと=他人事だと思って
油断してはいけません。
※実は、現在日本の金属スクラップ市場では商社だけでなく、
大手企業から中小零細企業まで、プレーヤーが日本人・中国人
に関わらず、社長でもヒラ社員でも、ロートルでも新人でも
「自分の責任でリスクを取れない奴」は仕事が出来ません。
金属スクラップを1kgも売り買い出来ないのです。
※めちゃくちゃ厳しい環境なのです。
(おわり)
(★注)住商事件
住友商事がロンドン金属取引所での銅取引で、総額約2850億円
の損失を出した事件。1996年6月、同社の元部長が約10年間に
わたり会社の許可を得ずに簿外取引をしていたことが発覚。
《東奥日報社 Toonippo Pressより 》
以上